政府労災保険の「療養給付」と健康保険の「医療給付」との関係を教えてください。
政府労災保険は、労働者災害補償保険法(以下労災保険法)に基づき、「業務災害」「通勤災害」による労働者の負傷、疾病等に対して必要な保険給付を行う制度です。
健康保険または国民健康保険の被保険者または被扶養者に対し労災保険法に基づく給付(政府労災保険給付)が行われる場合は、健康保険または国民健康保険の給付は行われません。「業務災害」「通勤災害」について誤って健康保険から保険給付が行われた場合は、保険者が被保険者に対し保険給付費の返還請求を行うこととされています。
誤って「業務災害」「通勤災害」で健康保険または国民健康保険の給付を受けてしまった場合、政府労災保険給付を受け直すまでの期間、費用が自己負担となる可能性があります。このため「業務災害」「通勤災害」の場合は当初から政府労災保険の給付を受けるよう注意が必要です。
(注)健康保険法上、被扶養者の「業務災害」や「通勤災害」について、給付対象とならない旨の明文規定はありません。しかし、健康保険法の趣旨から、被保険者と同様給付対象とはなりません。
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